毎週のように大型台風が日本列島を襲う今秋は、その因果関係ははっきりとしないが、地球の温暖化や環境問題について考えさせられる。
森山正和工学部教授(工)を中心に多数の研究者が『ヒートアイランドの対策と技術』学芸出版社、2300円+税)を出版した。
ヒートアイランド(都市部が周辺域より高い温度になる現象)は環境問題である。わが国の本格的な環境対応は1960年前後の高度経済成長期に起こった公害対応に始まったといえる。当時は「エンド・オブ・パイプ対応」といって、工場で何が行われているのかは問わず、配水管や煙突から出てくる廃棄物を処理することが主な環境対応であった。ところが1990年代になり、地球の温暖化が問題になると共に、もはやこの対応では何の解決にもならないことが分かり、工場や、都市のあり方や活動自体を問う「トータルシステム的対応」が環境対応の根幹となりつつある。
熱汚染は最後の公害といわれていた。大気汚染や水質汚濁といった化学物質による汚染問題は処理技術とそれに必要なクリーンなエネルギーの投入によって解決できるが、投入されたエネルギーはすべて熱汚染に転嫁されるものであること、また熱汚染は処理技術やエネルギー投入では解決が難しいことなどからきわめて難しい問題であると認識されている。
エンジニアリングも大きな転換期を迎え、「ものつくり」から「ライフサイクルの追求」へと課題が移行しつつある。本書は、このような背景の下で、ヒートアイランドの現状とさまざまな方面からの対策、技術を論じている。なお、本書はは15人の編著者が執筆しているが、竹林英樹助手(工)、田中貴宏研究員(自然科学研究科)も執筆者の一人。
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