中国の反日デモについての論評、片山裕教授(国際協力研究科)
4月30日付朝日新聞コラム「私の視点」で、片山裕教授(国際協力研究科)教授が、中国の反日デモについて次のように論評している。、
暴力的ともいえる反日運動は1972年のタイに始まり各地に広まった。今回の中国の反日デモと比較すると、共通点がある。日本の急激な経済進出があり日本製品のプレゼンスが高まっていること、反日運動が拡がる国の政治体制が権威主義的であること、外資導入によって首都圏を中心に産業化が進展し都市中間層が出現し始めていること等である。
現在の中国は当時の東南アジア諸国と比較にならないほど自信に満ちあふれているが、品質やブランド力で日本製品が優位なことは中国の都市住民なら誰もが認めよう。このような事情が靖国問題や安保理再編問題などと重なって中国の若者をいらだたせたのだろう。1977年8月、東南アジア歴訪の締めくくりにマニラを訪問した当時の福田赳夫首相は、後に福田ドクトリンと呼ばれるようになった東南アジア外交3原則を表明した。平和に徹し軍事大国にならない、東南アジア諸国と政治、経済、文化などで相互信頼関係を築く、東南アジアの平和と繁栄に寄与すると約束した。
今回、小泉首相が村山談話に依拠して、戦争中の加害を謝罪したことは評価できる。小泉首相はさらに首脳同士の対話を重ね、過去を見据えた未来志向型のメッセージを東アジア全体に向けて発信すべきである。
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