総田正巳さんは、神戸大学の前身の神戸経済大学を1953年に卒業した。この年は、戦後の学制改革の結果、旧制大学と新制大学の卒業生が同時に卒業することになるという巡り会わせとなる。
総田さんが昨年刊行した歌集「うづ潮」には、”苦学生”と題する短歌が収録されている。この当時の大学生の苦労が偲ばれる。
苦学生の語彙すでにして死語といふ学資稼ぎて我は卒へしを
はつたい粉こねて食みをり淡路島去りて苦学生の動員の想ひ
昭和二十八年新旧大卒の就職難置く去りのわれを夢に嘆けり
敗戦後の苦難は語らず寮生活バイトに学びし時をなつかしむ
苦学して貧しかりし吾が青春が楽しきひと齣木瓜の花まぶし
総田さんは、淡路島の生まれ、戦時下の学徒動員のうちに終戦を迎え、苦学生として復学。更に、そして実業に入ってからり第一線を退くまで。その年月を総田さんは「私には真にうず潮の流れに生き継いできた歳月という感慨があります」と振り返る(「うづ潮」あとがき)。「うづ潮」は2004年、青磁社(電話075-705-2838)刊。定価は2500円+税。
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