上竹原さん(1959年営卒)の新著「一筆啓上、香港より」
上竹原康宏(かみたけはら・やすひろ)さん(1959年営卒)の新著「一筆啓上、香港より」が、文芸社から刊行された。定価は1500円+税。上竹原さんは、フジテック副社長等を歴任、顧問を経て本年同社を退任した。上竹原さんは、台湾、シンガポール、香港と海外生活が長く、通算36年間にわたりアジア諸国で勤務する。本書は1983年の着任に始まる香港での滞在をふまえた香港レポートといった性格の本である。内容は政治、経済、社会、文化と多岐にわたる。また、長い海外生活から発した「日本への思い」が記録されている点も、見落とせない特色だ。
1997年、香港の主権が中国に返還された。上竹原さんは、この前後に香港で仕事をし、香港に暮らした。その体験を踏まえて、返還前後の香港の政治・経済事情をレポートした第1章は貴重な記録である。また、(日本の)衆議院議員選挙に際して投票を行ったときの体験が書かれていて興味を惹く。1票の投票に要したコストは2520円だった(詳しくは本書85ページ参照)。海外から、日本の政治に関与するには、時間・手間・費用がかかることを思い知らせてくれる。
1993年、上竹原さんは愛用のベンツを盗まれた。そのときの体験が出ている(車の盗難、98ページ)。車は見つかったが、修理費用が300万円もかかってしまった。ドイツからの部品の取り寄せが修理費高額化の原因だった。この経験談の前後には、香港で高級車を盗み、それを中国に持っていって売りとばす様々な手口が紹介されている。海上をゴムボートに車を積載して中国に運ぶという「珍奇な手口」も紹介されていた。翌年の1994年は香港の景気が良かった。成金が多数出た年だった。その結果、車が売れたのだ。この年は6ヶ月の間にベンツ、BMW等高級車3000台が盗難にあったという。
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