西村修さん(1964年文卒)が、文藝春秋誌3月号の連載コラム「棋士済々」欄に登場 している。この欄の執筆者は秋山賢司(囲碁)さん。テーマは、西村さんが永らく続けている子供たちや老人への囲碁の普及活動。
きっかけは5年前のこと。65歳の誕生日に、大阪の新聞社が主催するプロ・アマ対抗戦で、若手有望プロの瀬戸大樹(当時四段)を先で破り、賞金十万円を獲得したときのこと。西村さんはこれで九路盤の囲碁セットを求め、地元兵庫県の小学校や幼稚園、老人ホームに贈る妙案を思いつく。
厚手の紙とくりぬき式の石だから費用はそうかからない。反響は大きかった。用意した一千セットは二週間でなくなる。新聞や雑誌で紹介されると、各地の教育委員会などからの注文は飛躍的にふえ、現在は二万五千セットを越えている。
「品切れですとはいえんから、こんな数になった。目標の三万まであとわずかです。軽い気持ちで始めたこと。百贈って十人がやってくれればいいと思っています」と、西村さんは語る。贈り先に碁を教える人がいれば問題はない。いない場合には教え方も伝授する。“西村流囲碁入門法”は独特だ。四つ目殺ししか教えないので、五分で卒業。技術よりもマナーを重視する。対局開始のときは「お願いします」、終わったら「ありがとうございました」と必ず言うよう指導する。
最近は母校神戸大学OBを中心に、西村さんの活動を支援するボランティアも現れている。西村さんのこれまでの努力は半端ではない。数百万円のお金もかかった計算になる。「なぜ?」という問いに、西村さんらしい答えが返ってきた。それは「アマチュアの心意気です」というもの。 |