元神戸大学教育学部教授であった森信三氏(1896-1992)の旧著『一つ一つの小石をつんで』の新装版が、35年ぶりに刊行された。発行所は社団法人実践人の家、定価は600円である。
『一つ一つの小石をつんで』は、1971年に信州大学附属長野小学校で、保護者・生徒たちへ話したものの筆録。1973年に修養団から刊行された。作家阿川弘之氏や『男の晩節』(2006年、日本経済新聞社)の著者小島英記氏が推薦している。
この本では、しつけの秘訣は、結局
(1)朝のあいさつ
(2)ハイという返事
(3)ハキモノをそろえ、イスを入れる
・・・という三大原則を徹底するほかないという確信に立って、実際的に、しかも徹底的に、その方法および理論的根拠を明らかにしようとしている。
森元教授は「この書は、外見的にはまことに微々、いうに足りないものではあるが、哲学者としての著者の人生観が、しつけという角度において結晶したもの」とはしがきで述べている。
本書の書名が『一つ一つの小石をつんで』となっている。これについては、「しつけというものは、お説教などによってできるものでは断じてなく、文字通り一つ一つの小石を積むような心がけで、丹念に積み上げてゆくほかない」という考えに基づいている。
森元教授は、1926年(大正15年)京都大学哲学科を卒業。1939年(昭和14年)建国大学教授を経て、1952年(昭和27年)、神戸大学教授に。著書に、「森信三全集」全25巻、「森信三選集」全8巻、「森信三著作集」全10巻、「森信三続全集」8巻などがある。また、社団法人実践人の家の”創開者”でもある。

社団法人実践人の家のホームページに掲げられた森信三元教授の肖像写真 |