暮らしと経済研究室代表山家悠紀夫(やんべ・ゆきお、1964年経卒)さんが、岩波書店発行の月刊誌「世界」2月号誌上に「日本経済、どこへ向かうべきか」を寄稿している。この論文は、同誌の特集「経済危機 どこに対案があるか」の中の一部を形成している。
2002年から始まった「戦後最長記録を更新し続けていた日本経済の景気回復」は、2007年に終わったようだ。昨年(2008年)の前経済の実質成長率は、1~3月期こそプラスを保ったが、4~6月以降は、マイナスに陥っている。「内外の情勢から見て、落ち込みはしばらく続く」というのが山家さんの見解。以下、次のような見出しで最近の経済情勢を分析する。
・アメリカ発大津波の襲来
・内需不振、輸出頼りの日本経済
・狭められた生活の安全ネット
山家さんは、この生活の安全ネットの問題を重視する。元々狭かった生活の安全ネット(雇用保険、生活保護、医療保険等の種々の社会保障制度)がこの10年ほどの間にさらに狭められ、貧弱なものとされていると指摘する。最後の部分で山家さんは、「日本の採るべき政策が二つある」と主張している。
第一は、先行きの厳しい景気の落ち込みは避けがたいと覚悟を定めて、その下でも、その落ち込みをできるだけ小さくするための政策、あわせて、景気の落ち込みによる人々の暮らしへの影響ーーを極力小さくするための政策である。「生活必需品の消費税率引き下げ」、「雇用保険の拡充」、「ネットカフェ難民その他生活困窮世帯への対処」が急務であるという。
第二は、日本経済の構造を、輸出頼りではない政策、すなわち、国内需要が景気を支える経済へと変えていく政策であるとして最低賃金の引き上げ、社会保障をヨーロッパ並みに引き上げる等のの」提案がなされている。
山家悠紀夫さんは、1940年生まれ。第一勧銀総合研究所専務理事、神戸大学大学院経済学研究科教授等を経て、現在暮らしと経済研究室を主宰している。

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