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同窓生ニュース

ここでは神戸大学関連の様々なニュース・トピックスをご紹介しています。

過去の同窓生ニュース一覧  過去の同窓生ニュース一覧がご覧いただけます。
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 同窓生ニュース: 2011年5月
金井壽宏・神戸大学大学院教授が語るリーダーの条件 (2011.05.23)
文化勲章受章者脇田晴子先生を囲む会 (2011.05.19)
社長就任者(Ⅲ) (2011.05.19)
東日本大震災被害の調査報告・鍬田准教授 (2011.05.12)
日本応援コールの背後にあるもの 石平氏のChaina Watsch (2011.05.09)
日本応援コールの背後にあるもの 石平氏のChaina Watsch(2011.05.09)

「日本応援コール」の背後にあるもの…醜さを自問する中国社会と題して サンケイbizに石平氏(1995年神戸大学文学部博士課程修了)のChina Watchが掲載される
未曽有の大震災がわが国を襲って以来、隣の中国ではかつて見たことのない「日本応援コール」が巻き起こっている。
震災直後、ネットとマスメディアで上がってきたのはまず、日本人に対する称賛の声だ。災難に際しての日本国民の冷静沈着さと秩序感覚、非常事態の中でも他人様(ひとさま)に迷惑をかけない心構え、さらには「震災後の品不足の中でも便乗値上げが見られない」という「不思議な」現象など、日本では「当たり前」とされる事柄のすべてが、多くの中国人に多大な衝撃を与えて、彼らを大いに感心させたようである。
そのことの持つ意味は非常に大きい。
日本国民が自らの行いをもって、江沢民政権以来の反日教育が中国国民に植え付けた「悪魔的な日本人像」の一角を崩したことになるのと同時に、中国人自身の意識変革の発端ともなりうるからだ。
というのも、震災に際しての日本人の諸々の美徳に対する称賛の背後にあるのは、まさに中国社会の「美徳の喪失」への深刻な反省なのである。
そう、多くの中国人は、まさに日本国民の行いを鏡にして、「道徳崩壊寸前」といわれる中国社会自身の醜さを照らしてみて、「われわれは一体どうなっているのか」と自問しているのである。震災の最中、日本国民に声援のコールを送ったり実際の支援を呼びかけたりする動きが中国で見られたことも特筆すべきであろう。
中国の百人の学者が人民日報傘下の環球時報で「日本に温かい支援の手を差し伸べよう」と題する声明を発表したことや、中国映画「唐山大地震」の馮小剛監督が50万元(約620万円)を被災地に寄付したことはその最たる例である。
台湾で馬英九総統夫妻も登場して邦貨にして約21億円もの義援金を集めたチャリティーイベントが開催されたことと比べれば、中国国内の震災支援の動きはまだまだ小規模なものにとどまっているが、このような動きが出ていること自体、実に喜ばしい。
私自身も、かつての祖国から「日本支援」の声が聞こえてきたことを大変うれしく思っている。そしてそれは、近年の市場経済の発達とともに「市民社会」が広がっている中で、人間尊重や人道主義などの「普遍的価値」に、中国の人々が徐々に目覚め始めたことの表れでもあろう。
その一方、「日本支援」を主張する一部の有識者や
マスメディアの論調の中には、たとえば次のようなものもある。
曰(いわ)く、「わが中国は文明度の高い大国であるから、懐の深さと包容力の大きさを持っている。したがってわれわれは、日本民族の犯した罪を傍らにおいても、今の日本人民に救いの手を差し伸べるべきだ」と。
このような論調は明らかに、「歴史」の視点から日本への一方的な断罪を求めながら、
「日本人に懐の深さを見せてやろう」というものだが、その背後にあるのはやはり、中国人自身の「屈折した被害者意識」と、近隣国を上から見下ろすような相変わらずの「中華思想」であろう。
われわれ日本国民としては、中国人からの応援コールを感謝の気持ちをもって素直に受け入れるのと同時に、いわば「高いところからの日本支援論」には心を惑わされる必要はない。好意には感謝すべきだが、「懐の深さ」云々(うんぬん)はご免被りたいのだ。そして26日、日本が震災で苦しんでいる最中、東シナ海の海域で中国ヘリが海自護衛艦に近接飛行した事件も起きた。「火事場の泥棒」と称すべきこの挑発行為からも、「大国」としての中国の本性はよく分かるのではないか。
■【プロフィル】石平 せき・へい 
1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。
88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。
民間研究機関を経て、評論活動に入る。
『謀略家たちの中国』など著書多数。
平成19年、日本国籍を取得。


東日本大震災被害の調査報告・鍬田准教授(2011.05.12)

神戸大学大学院市民工学研究科市民専攻の鍬田泰子准教授(1999年神戸大学工学部建設学科卒、2004年博士課程後記修了、ミラノ工科大学留学)が東日本大震災の被害状況(特に水道関連)を現地調査の上各関係機関を通して報告している。その主たるものは、
・3月15日:仙台市において、水道施設、ライフライン系・交通系の被害、上下水道・ガス系の被害について実情を報告する。
・4月7日:土木学会東日本大地震被害調査団緊急地震報告会(於東大駒場コンベンションホール)において水道施設の被害の調査報告を行う。
・4月26日:KTV【関西のニュース】で水道の復旧が遅れていることを指摘し、災害時のために小さなダムや地下水など別の水系を確保すべきと訴える。
・5月10日:日経朝刊「被害地の明日を支える」欄で仙台など宮城県17市町に供給する広域水道の大口径送水管の継ぎ手が外れたことが響き、阪神に較べ復旧のピッチが遅いと指摘する。


社長就任者(Ⅲ)(2011.05.19)

平成23年度の社長に就任する同窓生(第3報)が以下のとおり発表されている。
川崎近海汽船 石井繁礼(61歳)
1972年神戸大学経営学部卒(石井ゼミ) 大阪三国ヶ丘高校卒
1972年川崎汽船株式会社入社
1902年  〃     取締役就任
2005年  〃     常務執行役員就任
2009年川崎近海汽船株式会社常務取締役就任
2010年  〃       専務取締役就任
     須崎汽船株式会社代表取締役就任
     新洋興産株式会社   〃
     株式会社五洋海運紹介 〃
(2011年6月29日社長就任)

日本橋梁株式会社 坂下清信(52歳) 
1982年神戸大学工学部卒(土木科) 大阪高津高校卒(高・大ともラグビー部)
1982年日本橋梁株式会社入社
2003年  〃     管理本部社長室長
2006年  〃     取締役管理本部長就任
2009年  〃     取締役常務執行役員就任
(2011年6月28日社長就任)


文化勲章受章者脇田晴子先生を囲む会(2011.05.19)

神戸大学卒業生で初めて昨年秋文化勲章を受賞した脇田晴子さん(1956年文学部卒、現石川県立歴史博物館館長)を大学にお迎えして「脇田晴子先生を囲む会」を催しました。 脇田晴子さんには今年の入学式でも講話をしていただいています。 脇田晴子さんの近著では夫君の脇田修氏(大阪大学名誉教授、大阪歴史博物館館長)との共著「物語 京都の歴史ー花の都の二千年」(中公新書)のほか多数の著書があります。
第1部の「学生との交流会」は文学部主催で、瀧川記念学術交流会館2階に学生・教員・同窓会の方々が多数集まりました。学部長による脇田先生のご経歴の紹介の後、脇田先生には学生との対談形式で、大学入学から現在までの道のりを自由に語っていただきました。学生からの質問も活発に出ましたが、日本中世史を勉強することになった経緯や、女子学生が少ない時代にあっても性差を感じず自由に学問ができた様子、オックスフォード大学滞在の経緯や子育てとの両立などユーモアを交えて語っていただきました。世代は離れているものの、脇田先生のご努力・前向きな姿勢と明るさ・物事を一貫してやり抜く意志の強さに学生も大きな感銘を受けました。
第2部は同窓会主催で、同会館1階に場所を移し日本史の卒業生を中心に同窓生が集まり、それに学生・教員が加わり立食形式のパーティーが行われました。


金井壽宏・神戸大学大学院教授が語るリーダーの条件(2011.05.23)

金井壽宏・神戸大学大学院教授(1980年神戸大学経営学部経営学研究科博士課程前期修了)が語るリーダーの条件(日経biz)
●災で動揺した人々から「回復力」を引き出す
今回に登場するのは、日本のリーダーシップ研究の第一人者である
金井壽宏・神戸大学大学院経営学研究科教授。
震災でさまざまなショックを受けて動揺している人々から、復興に向けて立ち直る「回復力」を引き出すリーダーの条件について考察する。(取材構成は、中野目純一=日経ビジネスオンライン記者)
今回の大震災で人々に動揺が広がっている。
余震が続き、東京電力の福島第1原子力発電所で起きた事故も収束のメドが立っていない。人々は不安の中で生活を送り、落ち着いて仕事に取り組むことができない。
地震に襲われた東日本の人々だけではない。彼らの抱く不安は、メディアの報道などを通じて西日本の人たちにも伝播している。不安の根底にあるのは、現在や将来に確たる見方や見通しが持てないという不確実性だ。
だが、ここで再認識しなければならないのは、我々の社会はもともと不確実性に満ちているということ。そして原発に限らず、人が作り出した人工物には大きな危険が伴っている場合があるということだ。
震災が起きる前に人々が過度な不安を抱くことなく生活していたのは、「日本の社会は安全だ」という見方を多くの人が共有していたから。
本当に社会が安全だったわけではない。
●現代社会に必要なのは「正解」ではなく「納得解」
世の中の現象は科学で説明がつき、予測可能である。問題があっても必ず正解があるという信念を持ってやってきた。それはけなげなことではあるけれども、人類がこうした確信を抱くことができたのは、実は近代だけにすぎない。
ポストモダンの現代においては、科学によって解明できないことがたくさんあると改めて気づかされたはずである。
そんな澱が現代社会に堆積し続けてきたので、この世の中は、ドイツの社会学者であるウルリヒ・ベック博士(独ミュンヘン大学と英ロンドン大学の教授を兼任)が同名の著書で指摘した「危険社会」だという認識がある。
こうした主張をやや悲観的にすぎると感じた人も当時は多かったことだろう。
いずれにしても、不確実なのだから、正解などない。あらゆる問題に、合理的に対処すれば、唯一最善の正解がすぐに見つかるという時代は終わった。
そこで追求すべきは、正解ではなく、多くの人々が危機に直面していても納得して共有できる「納得解」である。
この言葉は、東京都初の民間人校長として杉並区立和田中学校の校長を務めた
藤原和博氏が提唱した言葉だ。
周りの意見を聞きながら、納得解を見いだす。現代のリーダーは、そうした人でなければならない。藤原氏のこうした考えに対して、「心から同感する」と私もご本人に申し上げた。特に有事には、不安や動揺に駆られた人々に向けて、回復のシナリオや展望とともに「大変だけど大丈夫」というメッセージを出すことが重要だ。
組織が弛緩しないように、「大丈夫なようだけど実は大変だ」
と緊張感を持たせることが求められる平時とは逆になる。
2001年に米同時多発テロが起きた直後、当時ニューヨーク市長だったルドルフ・ジュリアーニ氏は市民に向かってこう訴えた。
「救援・復興活動が第一優先だが、それに携わらない残りの人々は、今まで通り、いや、今まで以上に楽しんで仕事をし、遊んでほしい。
楽しむ、遊ぶ、とは、出社前にはコーヒーを飲み、今まで以上に勤勉に働き、仕事が終わったら食事や酒を楽しむということだ。また、買いたい物を我慢している人は、今こそそれを買う時だ」「こうした経済活動や商業活動を維持することこそが、卑劣なテロに対する最大の対抗手段である。
安易な自粛モードは、ニューヨークの活性化を妨げ、経済の低下を招き、結果、復興支援にお金が回らなくなるなどテロの2次被害を招く」「だからこそもう1度言いたい。
みなさんには、今まで以上に楽しんで仕事をし、遊んでほしい」
もちろん、テロと自然災害、テロと原発事故とでは、もたらされる困難の性質は異なる。しかし、ネガティブを踏まえたポジティブな発想が求められるという点では共通している。
日本の経営者では、例えばホンダの創業者である本田宗一郎氏は、会社を設立した時から、「日本一ではなく世界一になる」と朝礼のたびにミカン箱の上に乗って叫んでいたという。実現しなかったら、ただの大ほら吹きだが、給料の遅配が生じるような苦境にあっても大きな夢と期待を語り続けた。さらに1954年には、本田氏は志を共にする藤沢武夫氏(当時は専務、後に副社長)と2人で、英国のマン島で開催されていたオートバイの国際レースに優勝すると宣言した。ここでも希望と期待を語り続けた。
そして、その基盤に成功へのシナリオを描いていたと思われる。本田氏の陣頭指揮の下、ホンダの社員たちは欧州メーカーに勝てるオートバイの開発に心血を注ぐ。
そして59年に初陣を飾り、3年後の61年には、同レースの125ccと250ccの1位から5位までを独占するという偉業を成し遂げ、世界最大手に向けて大きな一歩を踏み出した。
ジュリアーニ氏のスピーチや本田氏の宣言のようなポジティブなメッセージが空虚に響くことなく受け入れられるには、メッセージ自体が「納得解」である必要がある。
「それならやってみよう」と自ら動いてみたくなるようなビジョンやシナリオを示すことが、みんなが困難に直面して途方に暮れているような時には一層大事になってくるのだ。
●「バルコニー」と「ダンスフロア」を行き来するリーダーシップ
そうした納得解を導き出すことができる現代のリーダーシップのあり方について、米ハーバード大学行政大学院のロナルド・ハイフェッツ教授が示唆に富む考察をしている。
彼は、行政と政治の世界のリーダーシップ論でおそらく最も注目すべき研究者である。
ハイフェッツ教授はまず、この世界でリーダーシップを発揮するには、文字通り、命を懸けることになると強調する。そして、リーダーに求められることを、舞踏会に例えて次のように説明する。
「リーダーは大きな絵(ビッグピクチャー)を描かなければならない。それには踊り場(ダンスフロア)を離れて、バルコニーに立つ必要がある。そこでないと見えない景色があるからだ」「バルコニーを特等席として考えるのではなく、そこならみんなが見えるし、逆にみんなから見られる場でもあると自覚しなければならない」「一方で、現場で何が本当に起こっているのかを感知するには、また、ダンスフロアに自分の足で立たないといけない。実際に人々が生活している場の感覚を見失っては、采配を誤ってしまうからだ」ところが、今の日本の政治リーダーは、そして経済界のリーダーも、バルコニーに立てず、ダンスフロアにも立てていないのではないか。
今回の東日本大震災が発生して、その直後に被災地の現場を訪れた人がどれだけいただろうか。バルコニーは目立つので、米公民権運動の指導者だったマーティン・ルーサー・キング牧師のように暗殺されることもある。バルコニーに立つということはそうした危険を伴うが、それでもダンスフロアを一望できる場に立たなければならない時がある。このように命を懸ける覚悟を持ってリーダーシップを発揮している人は多くはいないだろう。
「大変だけど大丈夫」というメッセージを受け入れてもらうには、リーダー自身が
「この人が言うのなら」と周りに納得してもらえる人でなければならない。
その条件は何か。ポジティブ心理学で言うところのリジリエンス(回復力)やリデンプション(超回復力)を備えていることだ。
ポジティブ心理学は、米ペンシルベニア大学のマーティン・セリグマン教授が米心理学会の会長に就任した時に提唱したもの。従来の心理学が悲観主義や無力感、鬱、神経症、不安、攻撃性、人の弱みなど、ネガティブなことばかりを扱いすぎていたことから、「そろそろ楽観主義、幸福、希望、感謝、人の強みを扱っていこう」とセリグマン教授は呼びかけた。
経営学の分野でも、米ミシガン大学と米ネブラスカ大学がこの動きに応じて、それぞれポジティブ組織論、ポジティブ組織行動論を立ち上げた。
私も2009年、「人勢塾」という講座をNPO法人(特定非営利活動法人)の現代経営学研究所に開設した。この研究所は、産学連携による経営教育研究の促進を目的として神戸大学大学院経営学研究科が設立したものだ。
人勢塾では、ポジティブ心理学の知見を応用して、企業で働くマネジャーたちとその下で働いている人々を元気で前向きにする人事部のあり方を追究している。
このポジティブ心理学で最も注目している概念が、リジリエンスとリデンプションである。回復力や超回復力という日本語訳からは、大震災の後に我々が直面している現実の重苦しさを考えると、軽い言葉に受け止められるかもしれない。
だが、リジリエンスという英語の本来の意味は、逆境に直面してたわんでも、折れることなく、しなやかに元気を取り戻す力。
リデンプションは、リジリエンスよりもちょっと上の概念で、「修羅場」と呼ぶべき試練が訪れ、大変な目に遭ったけれども、それを乗り越えた暁には、以前のピークをはるかに上回るレベルに到達していることを意味する。
このリジリエンスやリデンプションは、リーダーシップが複数のリーダーたちの間で共有され、連鎖が生まれた時、一段と力を発揮する。自らも大震災の被災者でありながら、周囲を励ます人。
震災直後に大阪からトラックで被災地に向かい、その後も往復20時間の長時間運転にもかかわらず、大阪と被災地を何度も行き来して、被災者の避難所に救援物資を届けている人。そして、危険を顧みずバルコニーに立つ人。こうしたリーダー同士がつながれば、より大きな力が生まれる。
●修羅場を乗り越えて回復力を身につけたリーダーたち
日本企業の名だたる経営者は、修羅場を経験してリジリエンスやリデンプションを身につけた人が多い。
例えば、ヤマト運輸(現ヤマトホールディングス)元会長の小倉昌男氏。同氏は入社半年後に結核を患い、4年間の入院生活を余儀なくされる。回復して退院すると、静岡県の子会社の再建を指揮した。このように相次ぐ試練を乗り越えてきたからだろう。
同氏が運輸省(現国土交通省)や郵政省(現日本郵政グループ)と激しく対立してでも進めた宅配便事業に社員たちも力を尽くした。
先に挙げた本田宗一郎氏も同様だ。社長を務めた東海精機重工業(現東海精機)の浜松工場が1945年の三河地震で倒壊し、同氏は所有株をすべて豊田自動織機に売却して退社した。1年間の休養生活を送った後、本田技術研究所を設立して所長に就任。さらに48年に本田技研工業を設立して社長に就いた。
こうした試練を経てきた本田氏が、マン島のレースで優勝すると宣言するだけでなく、
自身が先頭に立って寝食を忘れるほどレース用のオートバイの開発に没頭した。
だから、周囲の社員たちも、「この人と一緒に頑張ろう」と思ったのだろう。
東日本の被災地には、阪神・淡路大震災で被災した多くの人たちがボランティアとして乗り込んでいる。
実際に震災を乗り越えた人たちが語る「大丈夫」という言葉は、説得力があるだろう。
「この人は同様の困難を乗り越えてきたのだ」と思わせる経験をしていることが重要なのだ。日本は、幕末の動乱や日露戦争、関東大震災、太平洋戦争の敗戦といった国難を乗り越えてきた。ほかの国の人々とは異なり、日本人には助け合いをベースにした集団としてのリジリエンスやリデンプションがもともと潜在的に備わっているのだと思う。
それを引き出すには、自らがリジリエンスやリデンプションを持つリーダーでなければならない。
企業、特に企業のトップは、「これは」と思う人に修羅場を意図的に経験させ、リジリエンスやリデンプションを身につける機会を提供するようにすべきだ。
ヤマト運輸元会長の小倉氏は、現在はヤマトホールディングス会長の瀬戸薫氏にクール宅急便の立ち上げを任せるといった試練を与えて、将来の社長候補として鍛えた。こうした取り組みが求められる。
■金井 壽宏(かない・としひろ)
神戸大学大学院経営学研究科教授。専門は経営管理と経営行動科学。
日本の経営学におけるリーダーシップやキャリア、モチベーション研究をリードする。
1954年生まれ。
78年京都大学教育学部卒業。
80年神戸大学大学院経営学研究科博士前期課程修了。
89年米マサチューセッツ工科大学(MIT)でPh.D.(マネジメント)、
92年神戸大学で博士(経営学)取得。
94年神戸大学経営学部教授。
99年から現職。
『変革型ミドルの探求』(白桃書房)、
『リーダーシップ入門』(日経文庫)、
『「人勢塾」ポジティブ心理学が人と組織を鍛える』(小学館)など著書多数。



 
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